ルージュの伝言!?


【3】

散々走り回らされた仕返しとしちゃかわいいもんだよね…と
自分に言い訳しつつ行動する吉澤さん

「…んぁ、よしこぉ」

一瞬、吉澤さんの手が止まる…が、どうやら寝言らしい
最後まで思いつきを実行すると自分の作品の出来栄えに満足げに頷く
そののちようやく後藤さんを起こしにかかる

「ごっちん、起きてよ」
「…ん?…あ!」

目を覚ました後藤さんの目に飛び込んできたのは
満面の笑みで自分を見つめる吉澤さんの顔
間近に恋人から見つめられ夢の続きかと優しく微笑み返す
…が、自分が泣き寝入りした原因を思いだし
後藤さんはわざと怒った顔を作って横を向いてしまう

「なに?何か用?」

トゲトゲした声で吉澤さんに『怒ってるんだぞ』オーラを送る
こんな時に言い訳してもかえって相手を怒らせてしまうと知っているので
吉澤さんは何も言わずに後藤さんを抱きしめる
そりゃもうこれ以上ないくらいに強く強く

「ちょ…!痛いよ、よしこぉ?」

腕の中でジタバタもがく後藤さん
吉澤さんはその感触をしばらく楽しんだあと
ちょっぴり力を緩めて後藤さんの耳元にそっと囁く

「あのね、ウチ…生まれ変わってもまた自分がいい。
 そんでさ、もっかいごっちんのこと好きになる」

そしてじっと目をみつめて

「ごっちんは?」

さっきまでのヘタレっぷりとは打って変わった
真剣な眼差し…やりゃぁ出来るのだ!と言わんばかりに
堂々とした吉澤さん
これには後藤さんも思わず顔を紅くして素直に本音が出てしまう

「アタシも…アタシも生まれ変わってもアタシになる
 よしこに好きになってもらう」

恋する乙女の心理とは複雑なようでいて実は意外とシンプル
単純すぎる私好きですか?…とりあえず吉澤さんは好きらしい
キリっとした表情がすぐにデレデレと崩れてしまう

なんとなくではあるが仲直りした二人
甘ぁ〜い雰囲気も盛り上がってきたところだが時間切れ
廊下で矢口さんの呼ぶ声が響いている

「もう行かなきゃ…」
「うん、後で見に行っていい?」
「はは…もうあんな事言わないから大丈夫だって」
「別にチェックしに行くんじゃないよぉ」
「解ってるって冗談だってば」

今にも矢口さんは踏み込んできそうな勢い
二人とも早口で囁きあうと
どちらかともなく顔を寄せて軽くキス…
唇が離れたら見つめあってもう一度
今度はもう少し深く甘く…………長い、長すぎる!
ゆっくりと身体を離して、でも少しでも長くお互いに触れていたくて
最後まで目一杯腕を伸ばす
今生の別れじゃある…

「今生の別れじゃあるまいしいつまでやってんだよ!」

しびれを切らした矢口さんがドアに蹴りを一発!
代わりに突っ込んでくれる…ありがとう矢口さん
流石は娘。一のツッコミ上手である


その後の吉澤さんはもう、はりきっちゃう!がんばっちゃう!
後藤さんと仲直りできた上にチューっとエネルギーも補給したので
腕立て勝負だってパワー全開、優勝しそうな勢いだ
しかしいいところまで来ていたのに急に力が抜けてしまい
紺野さんに負けて結局二位に甘んじることになった吉澤さん

吉澤さんを脱力させたもの…
それはちょうど腕立て勝負が始まったところへ
そっと見学にやってきた後藤さん
…はい?普通は恋人が来たら更に張り切るもんだろう?
ごまっとう…いや、ごもっとも
吉澤さんを脱力させた理由は吉澤さん自身のしたイタズラにあった

後藤さんは仲直りして上機嫌
安心したせいか再び眠気が襲ってくる
今度は幸せな気分でお昼寝である
目が覚めた時には随分と時間が経っていて
収録も後半という時間
大慌てでスタジオに走って来た後藤さんには
鏡なんか見てる余裕はなかった

右頬に『ス』左頬には『キ』とピンクの口紅で
イタズラ書きされた後藤さんの顔
全然気付いていないのが可笑しくて
吉澤さんこらえ切れずに脱力というワケである

ゲームコーナー終了後、恥ずかしい思いをした後藤さんに
吉澤さんがさんざん叱られた事は言うまでもない
しかし叱っている後藤さんも叱られている吉澤さんも
何だか嬉しそうで楽しそうで他のメンバーには
イチャイチャしてるようにしか見えない

「よっすぃーとごっつぁんっていつもあんななんですか?」

藤本さんの質問攻めにちょっと辟易ぎみの飯田さん
代わりに残りの全メンバーが無言でうなづく

「ほっとけばいいのれす…お昼ごはん何れすかね?」

コント収録前のランチタイムが気になる辻さんを先頭に
次々スタジオを出ていくメンバーたち
もうイチャイチャする二人など珍しくもないのか
五期メンバーでさえ大して気にしていない
スタッフ達も見て見ぬふり

最後に中澤さんが藤本さんの腕を取って一言

「よっさんに手ぇ出したら…ごっつぁんにボコボコにされるで」

と、また話を大げさにする

「そうなんだ…でも私もケンカなら自信ありますよ」

冗談なのか本気なのか意味深な発言の藤本さん
ラブラブな二人を横目に苦笑ぎみでスタジオを出る

気が済むまでイチャイチャした後
他のメンバーよりカナーリ遅れて楽屋に戻った吉澤さんと後藤さん
二人の目に飛び込んできたのは
矢口さんの字で『ップル』と書き足された
ルージュの伝言だった



おしまい

【2】


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